人生折り返し地点からのデザインワーク

技と知恵と工夫を未来に

本能寺 三足の蛙 香炉

本能寺の大寶殿宝物館

伝説によると、本能寺の変の前夜、突然「三足の蛙(みつあしのかえる)」が鳴き出し、織田信長に異変を知らせたというそうです。この蛙の香炉、実物がいまも大寶殿宝物館に大切に保管されています。

(今の本能寺は能の字は右側のヒが違います)

 

で、この香炉、姿かたち、表情がすごいんです。もう愛らしくて、ユーモラスで、思わずほおずりしたくなるような。ただ、実物は大切にガラスケースに保存されているので、まことに残念ながら愛でることは叶いません(泣。

 

で思い立ったが百年目、これを再現することとしました。文化財を丸写しにすることが目的ではありませんので、実物から感じる私の心を揺さぶる要素を検証して、実物の姿かたちを十分に検証したうえで複製しました。並べて比べる機会があったとしたら、違うところはあると思います。それでも、実物よりもさらに良い作品を目指して腕を振るいました。

 

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いわばライフワークともいえる取り組みですから、もともと量産するつもりもないので、かかった多くの時間と諸経費と私の想い入れを考慮して、10体のみの製作としました。するとなぜだか待ち構えていたかのように、その10体は高額にもかかわらずすぐに完売してしまいました。完売後もなお、ぜひ譲ってほしい、お金に糸目は付けないからと有り難いご注文をいただいております。ただまことに申しわけないのですが、10体限りと宣言していますので、これ以上の製作は考えていません。

 

もしなにかの特別な記念の時(本能寺や信長のゆかりの年とか)、特別仕様を誂える時が来るかもしれません。その時まで、じっくりアイデアを練っておきます。

(金の蛙、銀の蛙、錫の蛙とかがいいかなぁ)